~目次~
1. 行動の裏にある子どもの気持ち
2. 注意の言葉が未来を変える理由
3. 園での関わり方と、ご家庭との連携
4. たたいたことを通じて、育てたい力
「先生、○○くんがたたいたの!」
園内でときおり耳にする、こんな声。
けれど、その子はいつもニコニコ、優しい一面もたくさんある子です。
いったい何があったのか、どうして「たたく」という行動に至ったのか――。
私たち大人がつい焦って「ダメでしょ!」と注意してしまいそうな場面。
でも、ちょっとだけ立ち止まって、考えてみませんか?
✅ その子の気持ちは、どこにあったのか?
✅ 注意の言葉が、その子の未来にどう影響するのか?
子どもの心と行動は、まっすぐで、でもとても繊細です。
「たたいた」という出来事の奥にある気持ちに寄り添うことで、
育つ力が変わることもあるのです。
この記事では、「お友達をたたいた子」への関わり方を見直しながら、
焼津中央幼稚園として大切にしている視点をお伝えしていきます。

1. 「たたく」という行動の裏にある子どもの気持ち
「たたくのはダメ」
――これは大人にとって、当たり前のことかもしれません。
でも、子どもにとってはまだその“当たり前”が分からないこともあります。
「おもちゃ、かしてって言ったのに…」
「せんせい、ぼくのこと見てなかった…」
そうつぶやいた子が、手を出してしまう場面に、私たちは何度も出会ってきました。
実は…たたく行動の背景には、
「悲しさ」「悔しさ」「伝えられないもどかしさ」など、
言葉にしきれない感情が隠れていることがほとんどです。
3歳〜5歳の幼児期は、まだ言葉と感情のバランスが発展途中。
気持ちをうまく言えなかったり、待つことが難しかったりすることもあります。
そして何より、
「どう伝えたらいいか分からない」
そんな不安や混乱が、“手が出る”という形で現れることがあるのです。
たたく子どもを見たとき、
「この子は乱暴な子だから」ではなく、
「この子はどうしてそうしたのかな?」と考える視点が、
その子自身の育ちを大きく変えていく一歩になるのです。

2. 注意の言葉が未来を変える理由
「こら!たたいたらダメでしょ!」
つい感情的に言ってしまうこと、ありますよね。
私たち大人も、人を注意するときにはエネルギーが必要です。
でも、その“注意のしかた”が、子どもの心にどう響くか――
そこに目を向けることが、とても大切だと感じています。
ある日の出来事。
お友達をたたいてしまった子に、ある先生が静かにこう声をかけました。
「どうしたの?言いたいことがあったのかな」
すると、その子は涙をこらえながら小さな声で答えました。
「かしてって言ったのに、ずっと使ってた…」
✅ 「ダメ!」とだけ伝えると、「怒られた」「嫌われた」と感じてしまいがち。
✅ でも、「気持ちを教えてね」と寄り添うことで、子どもは「話せば分かってもらえる」と学んでいきます。
そして、私たちがよく使うのがこの言葉:
「手はね、叩くためじゃなくて、優しくするためにあるんだよ」
「困ったら、お話してみようね」
このように、行動を否定するのではなく、
「どうしたらよかったか」を一緒に考える関わりが、
子どもの“自己肯定感”と“社会性”を少しずつ育んでくれます。
「注意」は、子どもを責めるためではなく、
“次はどうすればいいか”を考える機会。
その積み重ねが、未来のコミュニケーション力を育てていくのです。

3. 園での関わり方と、ご家庭との連携
焼津中央幼稚園では、「トラブル=悪いこと」ではなく、
「関わり方を学ぶ機会」と捉えています。
子ども同士のぶつかり合いは、大人が介入すべき“問題”ではなく、
成長していく上で自然に起こる、大切なプロセスでもあるのです。
園ではこんな声かけを大切にしています。
・「〇〇くんはどうしたかったのかな?」
・「困ったときは、どうしたらよかったと思う?」
・「たたかれたお友達は、どんな気持ちだったかな?」
また、保護者の方との連携もとても重要です。
園で起きたことは、できるだけ丁寧にお伝えし、
ご家庭での様子と照らし合わせながら、子どもの変化を一緒に見守っています。
たとえば、「最近イライラすることが増えた」など、
小さな変化でも共有していただけると、保育の中でもより柔軟に対応することができます。
園と家庭、どちらか一方だけではなく、
二つの場で声をかけ、見守っていくことで、
子どもたちは安心感を得ながら、自分自身を整えていくことができるのです。

4. たたいたことを通じて、育てたい力
「手が出てしまった」――それは、叱られるべき“悪い行動”ではなく、
子どもがまだ言葉にできない気持ちを、表そうとした結果かもしれません。
大人がその背景にある想いに気づき、寄り添い、
「どうすればよかったか」を一緒に考えることで、
その経験は、子どもにとって“学び”に変わります。
✅ 感情のコントロール
✅ 他者との関わり方
✅ 自分の気持ちを言葉で表現する力
こうした力は、すぐに身につくものではありません。
でも、失敗やトラブルをきっかけにした経験の中でこそ、
子どもは本当に大切なことを、自分の力で吸収していくのです。
私たち焼津中央幼稚園は、
どんな行動の裏にも“理由”があることを忘れずに、
一人ひとりの子どもと向き合いながら、共に育ち合う保育を大切にしています。
未来を変えるのは、「そのとき」の声かけひとつ。
だからこそ、丁寧に、あたたかく、関わっていきたいと考えています。
🍀見学やご質問はいつでも歓迎しています。
ぜひこちらからお問い合わせくださいね。
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