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「工作が嫌い」な子の気持ち、どう受け止める?

~目次~

1. 子どもが工作を嫌がる主な理由
 失敗が怖いタイプ
 手先の発達がゆっくりなタイプ
 自由度が高すぎて困るタイプ
 汚れる・触感が苦手なタイプ

2. 親がやってしまいがちなNG対応

3. 工作が苦手な子への関わり方
 小さな成功体験をつくる
 完成を求めすぎない
 “見るだけ参加”もOK

まとめ|工作が嫌いでも大丈夫

「うちの子、制作の時間になると
 急に元気がなくなるんです」

「お絵描きはするのに、
 はさみやのりは嫌がってしまって…」

工作が苦手だと、幼稚園で困らないか心配で…

大丈夫ですよ。工作や制作活動が少し苦手な子は、幼稚園でも珍しくありません

幼児期は、みんなが同じことに
同じ熱量で向かう時期ではありません。

文部科学省の「幼稚園教育要領解説」でも、
幼児の興味や関心には
大きな個人差があることに配慮し、
一人ひとりの興味に合わせた関わりが
大切だと示されています。

また、幼児期の教育では、
学年ごとに一律の到達目標を
設定するのは適切ではなく、
発達や学びの個人差に
留意する必要があるとも示されています。

だからこそ、
「工作が嫌い」
「制作活動を嫌がる」
という姿が見られても、
それだけで強く心配しすぎる必要はありません。

たとえば園では、こんな場面がよくあります。

・はさみを前にすると手が止まる子。
・のりの感触を嫌がる子。
・自由に作っていいよと言われると、
 何をしていいか分からず
 困ってしまう子。

これは決して珍しいことではなく、
子どもによって“得意な表現”が違うからです。

体を動かす遊びが好きな子もいれば、
歌やごっこ遊びが好きな子もいる。

制作にすぐ夢中になる子がいる一方で、
少し距離を置いて
見ていたい子がいるのも自然な姿です。

“みんな工作が好きなもの”
って、勝手に思っていたかもしれません

好き嫌いや興味の向き方に差があるのが幼児期です。
まずは“嫌がっている”こと自体を否定しないで見てあげたいですね。

文部科学省は、
特別な配慮が必要な子どもへの支援でも、
決めつけず、目の前の子どもを
肯定的に受け止め、
その子のよさや好きなことを
生かすことの重要性を示しています。

その考え方から見ても、
工作が苦手という一点だけで、
すぐに発達面の
問題と結びつけて考えるのではなく、
まずは「何が苦手なのかな」
「どんなやり方なら安心かな」と
見ていく姿勢が大切です。

つまり、工作嫌いの子どもや、
幼稚園で制作活動を嫌がる子がいることは、
決して特別なことではありません。

大切なのは、
「できるように急がせること」ではなく、
その子なりの気持ちや反応を受け止めること。

そこから、安心して参加できる
きっかけが少しずつ見えてきます。

1. 子どもが工作を嫌がる主な理由

「工作が嫌い」とひとことで言っても、
その理由は一つではありません。

同じように制作活動を
嫌がっているように見えても、
子どもの中ではまったく違う
気持ちが動いていることがあります。

“やりたくない”って言うから、ただ面倒なのかなと思っていました

実は、“嫌い”の中身を見ていくと、その子なりの理由が見えてくることが多いんです

文部科学省は、
幼児期の発達や興味・関心には
大きな個人差があることを前提に、
一人ひとりに応じた関わりが
大切だと示しています。

また、ベネッセ教育総合研究所の調査でも、
園での経験には幅があり、
「自由に好きな遊びをする」
「好きなことや得意なことを生かして遊ぶ」
など、子どもによって経験の濃さが
異なることが示されています。

つまり、幼児の“好き・苦手”が
分かれること自体は自然なことです。

では、工作嫌いの子どもには、
どんなタイプがあるのでしょうか。

失敗が怖いタイプ

「うまくできなかったらどうしよう」
──そんな気持ちが先に立つ子は、
工作に苦手意識を持ちやすくなります。

工作は、完成の形が目に見えやすい活動です。

だからこそ、少し慎重な子ほど、
“最初から正解が分からないこと”に
不安を感じることがあります。

これは、「やる気がない」というより、
失敗したくない気持ちが
強い状態と見ることもできます。

幼児期の保育では、
子どもが安心感をもって活動できるように、
思いや願いを受け止めることが
大切だとされています。

そのため、工作を嫌がるときも、
まずは「不安があるのかもしれない」と
受け止める視点が大切です。

手先の発達がゆっくりなタイプ

はさみを動かす。
折り紙を折る。
のりを適量ぬる。

こうした作業は、
大人が思う以上に
細かな手の動きを必要とします。

そのため、
手先の使い方がまだ発達の途中だと、
工作そのものが疲れやすく、
苦手に感じやすくなります。

厚生労働省の支援マニュアルでも、
乳幼児期は得意・不得意を急いで評価するより、
感覚や認知を育む過程を
大切にすることが重要だと示されています。

うまく道具を扱えないことがあっても、
それをすぐに能力の問題と決めつけず、
「まだ育っている途中なんだな」と
見ることが大切です。

自由度が高すぎて困るタイプ

「好きに作っていいよ」
──この声かけで、
すぐに動き出せる子もいれば、
逆に困ってしまう子もいます。

自由にやっていいって言われた方が、楽しそうなのに…と思っていました

実は、“自由”が苦手な子もいるんです。
見通しが立たないと、不安になってしまうことがあります

こども家庭庁や厚生労働省の支援資料でも、
見通しが分かりやすいことや、
視覚的な手がかりがあることは、
安心して活動に向かうために
大切だと示されています。

そのため、制作活動を嫌がる背景には、
何をどう始めればよいか分からず
困っている可能性もあります。

これは保育現場でもよく見られる
受け止め方の一つです。

汚れる・触感が苦手なタイプ

のりのベタベタが苦手。
絵の具が手につくのがイヤ。
粘土の感触がどうしても落ち着かない。

こうした子どもも、
決して珍しくありません。

厚生労働省の調査研究では、
感覚の過敏さや鈍麻への配慮が
支援の中で重要であることが示されています。

また、児童発達支援のガイドラインでも、
感覚の特性に留意し、
安心できる環境づくりが必要だとされています。

つまり、制作活動を嫌がる理由の中には、
気持ちの問題だけでなく、
感触そのものへの苦手さが
含まれていることもあるのです。

このように、
幼稚園で工作が苦手な子、
作活動を嫌がる子には、
それぞれ違った背景があります。

大切なのは、
「どうしてやらないの?」と
急ぐことではなく、
「この子はどのタイプかな?」と
見ていくこと。

そうすると、
次にどんな声かけや関わりが合うのかも、
少しずつ見えてきます。

2. 親がやってしまいがちなNG対応

子どもが工作を嫌がると、
つい言いたくなってしまう言葉があります。

「ちゃんとやりなさい」
「みんなはできてるよ」
「なんでできないの?」

どれも、心配しているからこそ
出てくる言葉ですよね。

でも実は、こうした声かけが、
子どもの気持ちをさらに
固くしてしまうことがあります。

励ましているつもりなのに、
余計に動かなくなることがあって…

ありますよね。子どもは“できていないこと”を指摘されると、やる気より先に不安が大きくなってしまうことがあるんです

文部科学省は、
幼稚園での集団は、
子ども一人ひとりにとって安心して
自己を発揮できる場であることが
大切だと示しています。

また、子どもが自信をもって新しいことに
挑戦していけるようにするには、
今の自分を受け入れられることや、
安心して学べる環境が重要だという
考え方も示されています。

だからこそ、
「みんなできてるのに」という言葉で
周りと比べてしまうと、子どもの中では
「自分はできていない」
「自分だけ違う」
という気持ちが強くなりやすくなります。

これは、子どもを前向きにするというより、
むしろ自信を
しぼませてしまう関わりになりかねません。

安心して自己を出せることが大切という
公的な考え方から見ても、
自然な受け止め方です。

厚生労働省の保育実践の資料でも、
子どもがほっと安心できる環境や、
挑戦したいときに挑戦できる環境を
整えることの大切さが示されています。

つまり幼児期には、
単に「できた経験」を増やすこと以上に、
安心してやってみようと
思えることが大事なのです。

“できるようにさせたい”気持ちが先に出すぎていたかもしれません

まずは、“嫌なんだね”“今日は見ていたい気分なんだね”と受け止めるだけでも違いますよ

子どもが制作活動を嫌がるときは、
無理にやらせるより、
その子の気持ちを言葉に
してあげることが大切です。

たとえば、
「うまくできるか心配なんだね」
「手がベタベタするのが
 イヤだったかな」

そんなふうに気持ちを
代わりに言葉にしてあげると、
子どもは「わかってもらえた」と
感じやすくなります。

「ちゃんとやらせること」より、
「安心して向き合えること」。

そこを土台にした方が、
結果として子どもは少しずつ
挑戦しやすくなっていきます。

3. 工作が苦手な子へのおすすめの関わり方

工作が苦手な子に必要なのは、
「ちゃんと作れるようにすること」よりも、
まずは“これならやってみてもいいかも”と
思える入口を見つけることです。

文部科学省の「幼稚園教育要領解説」でも、
幼児の表現活動では、
さまざまな素材や表現の仕方に
親しめるように配慮し、
表現する過程を大切にして自己表現を
楽しめるよう工夫することが示されています。

厚生労働省の「保育所保育指針」でも同様に、
子どもの素朴な表現を受け止め、
表現する意欲を支えながら、
過程を大切にすることが大切だとされています。

工作が苦手なら、やっぱり練習させた方がいいんでしょうか?

無理に“できるようにする”
より、入りやすいやり方に変えてみる方が、気持ちが動きやすいことも多いんですよ

たとえば、はさみが苦手な子には、
いきなり切る活動を求めるのではなく、
シールを貼る、ちぎる、重ねるといった
動きから入る方法があります。

素材や道具の特性によって、
子どもの表現の仕方や楽しみ方は異なると
文部科学省も示しており、
道具を変えることは、
甘やかしではなく自然な配慮の
一つと考えられます。

つまり、
はさみ → シール
絵の具 → クレヨン
のり → テープ
のように、
入口を少し変えるだけで、
制作活動へのハードルが
ぐっと下がることがあります。

小さな成功体験をつくる

工作が苦手な子ほど、
「全部できた」よりも、
「ひとつできた」を積み重ねることが大切です。

たとえば、
シールを1枚貼れた。
好きな色を選べた。
最後まで席に座って見ていられた。

それだけでも、
その子にとっては立派な前進です。

厚生労働省の保育指針では、
子どもの表現を大人が受け止め、
表現しようとする意欲を
支えることが大切だとされています。

この考え方から見ても、完成度ではなく、
その子が一歩踏み出せたこと自体を
認める関わりが重要だと言えます。

“これだけしかできなかった”
じゃなくて、“ここまでできた”で見ればいいんですね

そうなんです。小さな成功体験が重なると、次の“やってみよう”につながりすくなります

完成を求めすぎない

大人はつい、
「せっかく作るなら、ちゃんと形にしてほしい」
と思ってしまいます。

でも幼児期の制作活動は、
上手に仕上げることが
目的ではありません。

文部科学省も、
特定の表現活動のための技能だけを
身に付けさせるような偏った
指導にならないよう配慮が
必要だと示しています。

大切なのは、
子どもがその子なりに
素材に触れ、考え、試し、表現することです。

だからこそ、
形が崩れていてもいい。
途中で終わってもいい。
思っていたものと違ってもいい。

「作ることそのもの」に意味があると
受け止めることで、
子どもは安心しやすくなります。

“見るだけ参加”もOK

工作がどうしても苦手な日は、
無理に手を動かさなくても大丈夫です。

最初は近くで見ているだけ。
先生のやり方を眺めるだけ。
お友達が作っている様子を
見ているだけ。

そうした関わり方も、
幼児期には大切な参加の形です。

文部科学省は、
他の幼児の表現に触れられるよう
配慮することを大切にしており、
厚生労働省も、子どもが安心して表現を
楽しめる環境づくりの重要性を示しています。

そのため、“作る”だけでなく、
“見て感じる”ことも表現活動の一部として
考えることができます。

「今日は見てるだけでもいいよ」
──そんな一言があるだけで、
子どもの気持ちはずいぶん軽くなります。

工作嫌いの子どもに必要なのは、
苦手をすぐ克服させることではなく、
自分のペースで近づいていける環境です。

その安心感が育っていくと、
ある日ふっと、
自分からシールを手に取ったり、
「やってみる」と言い出したりする
ことがあります。

幼稚園で工作が苦手な子、
制作活動を嫌がる子にこそ、
“できるかどうか”ではなく、
“どう関われば安心できるか”を
大切にしていきたいですね。

まとめ|工作が嫌いでも大丈夫

「工作が嫌い」という姿を見ると、
つい心配になってしまうものです。

でも、工作が苦手だからといって、
それがすぐに“問題”というわけではありません。

工作が好きじゃないと、幼稚園で困るのかな…って不安でした

大丈夫です。子どもの得意なことは、本当に一人ひとり違いますからね

幼児期は、
苦手なことを無理に伸ばすより、
まずは好きな活動の中で
自信を育てていくことがとても大切です。

体を動かすのが好きな子。
歌やお話が好きな子。
じっくり観察するのが得意な子。

その中で、工作や制作活動への
向き合い方にも違いがあるのは、
ごく自然なことだと言えます。

大切なのは、
「どうしてできないの?」と見るのではなく、
「この子は何なら安心して取り組めるかな」
と考えること。

その視点があるだけで、
子どもの表情は少しずつ変わっていきます。

焼津中央幼稚園でも、
子どもの興味や個性を大切にしながら、
それぞれが自分らしく
活動に向き合える時間を大事にしています。

工作が好きな子も、
ちょっと苦手な子も、
どちらもその子らしい大切な姿です。

「今はまだ好きじゃない」
それも、成長の途中にある自然なひとコマ。

焦らず、比べず、
その子の“好き”の入り口を
一緒に探していきたいですね。

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